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空白の6時間と悪魔のシナリオ


3月12日の福島原発一号機爆発に至った経緯の分析第二弾。丹念に見て行くと、実はとんでもないことが3月12日未明に進行していたのではないかと思えて来る。

時系列のまとめ
前回、文章で書いたが、
http://blueconifer.blog59.fc2.com/blog-entry-1.html
とりあえずイベントを表にしてみた。
福島原発一号機の爆発まで以下のような経過をたどった。

■11日
14:46 地震発生
15:42  1号機原子力災害対策特別措置法10条通報(全交流電源喪失)
16:36: 1号機原子力災害対策特別措置法15条事象発生(非常用炉心冷却装置注水不能)
21:23 半径3キロ圏内の避難指示
21:52 官房長官記者会見「現時点で原発はコントロールできている」
■12日
01:20 1号機格納容器圧力異常上昇により15条通報
02:30 菅が視察を決定する
03:00 海江田経産相と小森明生・東電常務が会見、ベントを行う旨、発表
03:00 東京電力がベントを行うことにしたとの文書は発表
03:12 官房長官記者会見(東電からベントの必要性について報告受けた)
04頃 1号機中央制御室でガンマ線150μSv/h
05頃 原発正門付近で放射性ヨウ素検出
05:44 半径10キロ圏内の避難指示
06:09 管コメント「場合によっては現地で必要な判断を行う」
06:14 菅陸上自衛隊ヘリコプターで官邸屋上ヘリポート発
06:50 原子炉等規制法64条3項によるベント命令
07:11 菅と原子力安全委委員長、福島第一原発現地入り
07:19 菅福島第一原発の重要免震棟へ
07:23 菅へ東京電力副社長による説明。池田経産副大臣同席。
08:04 菅福島第一原発視察終了
09:04 東電が1号機ベント作業着手(一つ目の弁を開ける)
10:17 二つ目の弁の開放に着手、だが不具合で開放が確認できず
10:47 菅官邸に戻る
14過 急きょ調達した空気圧縮機を使って午後2時すぎに再度開放を試みる
14:30 1号機ベントによる圧力降下を確認
15:36 1号機棟で水素爆発


空白の6時間

注目したいのは、東京電力がベントをすることにしたと発表した午前3時から実際にベントに着手したとされる午後9時4分までの空白の6時間である。
この午前3時から午後9時までの空白に何があったのか。

シナリオを考えてみた。

【シナリオ1】東京電力サボタージュ説(可能性:低)
政府の見解である。東京電力は何度言っても指示に従わなかったとの主張である。しかし、3時の時点で東京電力はベントすると発表している。一方で、官邸が3時まで待たせたと言っている。前回書いたように、そもそも東京電力にサボタージュする動機がない。格納容器の圧力は上昇し続けており、一刻も早くベントしたかったというように理解した方がいいだろう。

【シナリオ2】東京電力水素爆発危惧説(可能性:低)
3時の時点まで政府に待たされた。いざ、ベントしようにもすぐにはできない。そうこうするうちに5時頃までには原子炉内が危険な状態になってきた。温度等から考えるとベントの結果、水素が出るかも知れない。東京電力の現場は、その爆発の可能性に既に5時頃には気づいて別の方策を考えていた。
しかし、菅にどやされて何でもいいからベントしろと言われたため、後を顧みずベントしてみたら、やはり爆発してしまった。但し、これは後付の理由であり、可能性は低い。

【シナリオ3】ベントなど簡単にできなかった(可能性:中)
この説は産経新聞が採っている。
「ベント作業 10時間ロスで致命傷
遅れの最大の理由は、12日朝の菅直人首相の視察ではなく、電源喪失だった。東電は手作業によるベント開放に手間取ったのだ。この間に炉心溶融が進み、圧力や高熱で圧力容器や格納容器が損傷し、「閉じ込め」機能が失われた可能性がある。」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040908340010-n1.htm
実際に14時30分になってやっとベントできたのだから、手間取ったのは確かで説得力はある。しかし、9時04分に作業に着手するまで、いったい何をしていたのか疑問が残る。作業班の編成や防護服の準備で手間がかかったと言うが、3時から9時まで6時間も必要だったのか。それとも着手という言葉の定義の問題で、3時頃から断続的にトライしていたのか?
考えられるのは、午前3時から5時頃まで2時間程度、何とかしようと思っていたのだが、うまくいかない、その後、菅が来るため5時頃から8時まではベント着手は事実上できない状態になってしまったという流れである。ただでさえ、原子炉格納容器のある力上昇により10k圏内の住民に避難指示を出し、大変な状況なのに菅は、視察を強行した。菅の視察は3時間程度のロスを招いたことになり、罪は大きい。

【シナリオ4】菅によるパフォーマンス(可能性:中)
午前3時に行われると思っていたベントが、作業に手間取って5時頃になっても終わっていない。これに目をつけた菅は、最大のパフォーマンスのチャンスだと画策を始める。まず、5時頃の時点で自身の7時の到着までベント着手の延期を明確に求めた。もしくは、7時頃には行くから、対応をよろしくなどということを言って暗に圧力をかけた。そして、早朝6時に出発、自分が到着するのに合わせて、6時50分にとってつけたような原子炉等規制法64条3項に基づくベント命令発令、7時11分到着、そして現地での颯爽とした指揮を狙った。この場合も3時間ほどのロスになる。

【シナリオ5】悪魔のシナリオ 欺瞞とパフォーマンスの官邸(可能性:大)

(政府はすぐベントできないことを知っていた)

次のようなシナリオも成り立つ。
東京電力は、電源喪失でベントがすぐできないことを官邸に12日の午前零時頃には報告していた。よく考えれば、東京電力はそのくらいのアセスメントはできたはずだ。多分、いまはすぐには無理かも知れないが、7時頃までには何とかなると官邸に東京電力は報告した。そして、政府も専門家らが東京電力から説明を聞いてベントがすぐできそうもないと理解はした。
しかし、7時まで何もできませんとは発表できない。既に1時40分に保安院が記者出した発表資料には、以下のようなシナリオが書かれている。11日22時50分炉心露出、23時50分燃料被覆管破損、24時50分燃料溶融、27時20分(12日3時20分)ベントの実施。
7時までも何もできませんなどと言うことは、政府も東京電力もできない、したくない。ともかく、3時20分頃までには何かをする必要がある。ここで、官邸は、以下のたくらみを企てた。東京電力も菅に怒鳴られて共謀したと考えられる。

(欺瞞のベント会見)
とりあえず、東京電力は午前3時に実施できる見込みのないまま、ベントをするという。
官房長官も3時12分からの記者会見で今すぐにでもベントができそうな説明をする。3時の段階になっても64条3項の命令を出さなかったのは、命令してもすぐ実施できないことがわかっていたからだ。そうなったら政府も東京電力もメンツを失うし、非難される。そこで政府は、東京電力を怒鳴りつけて東京電力が自主的にやると言わせた。すぐにできないものをすぐできそうな説明をされた東京電力は酷く困惑しただろ。すぐにできないとわかっているベントの遅延責任が東京電力に負わされたからだ。
これは、12日午前3時の経産相と東京電力の会見の以下の記事からもわかる。
「ほどなく、海江田経産相と小森明生・東電常務が会見した。海江田経産相は「ベントを開いて圧力を下げる措置を取る旨、東電から報告を受けた」と説明し、すぐに小森常務にバトンを渡した。これに対し、小森常務は「国、保安院の判断を仰ぎ、(ベント実施の)判断で進めるべしというような国の意見もありまして」と述べる。「東電の判断」という海江田経産相の説明と微妙な違いを見せた。」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110404ddm010040035000c.html

実際にすぐはできないことは、政府はわかっていた。しかし、そんなことは隠蔽した方がいい。この政権では「パニックを押さえる」「不利な情報を出さない」これが最優先される。

(菅の計略)
一方、支持率低下と献金スキャンダルにあえいでいた菅は、これを絶好のパフォーマンスの機会だととらえた。パフォーマンスの計算が始まる。7時頃にベントできるなら6時頃官邸を出ればよい。そして、自分の到着に合わせて、6時50分に命令、7時11分到着、そして現地での颯爽とした指揮。完璧だ。

状況証拠は-菅有罪

空白の6時間のシナリオについては、すべて憶測である、しかし、悪魔のシナリオ説は、結構説得力を持つと思う。

大体、午前2時30分視察を決定して、朝6時の出発はいかにも唐突である。東京電力が本当にベント指示に従っていなければ命令を一つ出せばすむだけである。菅がどうしても現場に行く必要がある緊急事態なら、朝2時半だろうが、緊急にヘリを飛ばせていけばよい。3時半か4時までには着く。それがなぜか出発時間が早朝6時である。このような中途半端に異例な時間に首相が現地に行くためにはそれなりの理由があるはずだ。それが、7時頃なら何とかなるという東京電力の説明だった。もし、東京電力が、8時頃にできると言っていれば、出発時間を1時間遅らせ7時にしただろう。

シナリオ通り、東京電力は、ベントをしますと言いながらも、実際には、結果が出ない状況が続く。そして、菅のお出まし前の6:50分に命令が出る。この命令も前回ここに書いたようにパフォーマンス以上の意味は持たない。そして、7時11分到着。
専門家からは、ベント(ウェットベント)による放射性物質の放出が微量と説明を受けているはずで、現場で「ただいまからベントを指示します。」とやりたかったのではないか?緊急事態のはずなのに、なぜかカメラマンが帯同して菅の活躍を撮影していたということもこの説を裏付ける。

その後、爆発してしまったため、慌てて菅は東京電力の責任にしているが、真相はこのようなことではないか?原発事故のショックが強すぎてみな忘れかけているが、当時、支持率低下と献金スキャンダルで菅の命運は風前の灯火だった。また、3月23日に既にレベル7だと認識していたのに統一地方選が終わるまで原発の事故の国際評価尺度のレベルを5に据え置くような政府である。悪魔のシナリオの動機と飛びつくいやらしさは十分にある。

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3月12日菅直人武勇伝のうそ

第一部 広がる菅直人偽「武勇伝」

政府の偽答弁と4月4日の毎日新聞のよいしょ記事のために、菅が12日に未明に東京電力にベントを指示したが、東京電力がおとなしく従わなかった。そのため、被害が拡大した等という戯言が、広がり始めている。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110404ddm001040085000c.html
今日の産経もその線に沿った説明をしている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110410/stt11041000390000-n4.htm

政府は12日午前3時までベントしないよう指示していた

政府の発表等を見る限り、事実は全く逆である。12日午前3時の枝野記者会見の時まで、政府は東京電力にベントの作業を停止させていた。
以下の記者会見の発言を見てほしい。

--------------------
平成23年3月12日(土)午前3時12分頃からの内閣官房長官記者会見
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4477.html
会見開始後00:50秒頃
【枝野】「当事者である東京電力、及び経済産業大臣からも発表をいたしておりますが、福島第一原子力発電所について原子炉格納容器の圧力が高まっている恐れがあることから、原子炉格納容器の健全性を確保するため内部の圧力を放出する措置を講ずる必要があるとの判断に至ったとの報告を東京電力より受けました。」
「6時に官邸のヘリポートを出まして福島のただいまの原子力発電所、ここは現地に降りれるという方向でございます。」
06分:10秒頃
【記者】「総理がその原発を視察されるという時っていうのは、すでにもうその原発でのその大気への作業っていうのはやっているんですか? 大気への作業というのは何時頃やるんですか?
【枝野】「これはあの東京電力があの技術的な点を含めて最終的な調整をする話ではありますが、これを行う前にしっかりと国民の皆さんに予めご報告しなければならないということを東京電力の方に要請というよりも指示をいたしまして、それでこの時間に、 経済産業省及び官邸でご報告しましたのでそんなに遠くない時間になると思っております。」

【記者】「先ほど1時40分に出された発表資料で予測の時間帯が書かれていまして、27時20分に原子炉格納容器???を開けるということ原子炉格納容器ベントにより放射性物質が放出される??? ここには書かれていないんですけど、これは3時20分を指すと思うんですけれどその辺の説明をちょっとしていただければと」

【枝野】「それは多分原子力保安院が可能性をお示ししたものだろうというふうに思っておりますが、そうした可能性の前提も含めて実際にこのベントを開けるという段階よりも前にちゃんときちっとご説明申し上げなければならないということで、3時で経産省と私の方とで発表するということでございますので、あの具体的な詳細な時間はまさに現場の作業の手順段取り等によりますので若干のズレがあり得るかと思いますが、そう遠くない時間に圧力を下げる措置に着手するものと思っております。」

【記者】「そういうことは現時点では同時並行で進んでいるとことではないということですか?」
【枝野】「少なくとも発表してからにしてくれということは要請というよりかなり指示に近い形で東京電力に申し伝えてあります。あの経産省、それから私の方でもう発表いたしましたので作業の手順に必要ならば入っていてもおかしくないと思います。」
--------------------

酷いプロパガンダ

東京電力に発表するまで(つまり3時まで)待ってほしいと言っていたのは政府ではないのか?これが、どうして、午前1時半に指示したのに東京電力が従わなかったという政府説明や毎日新聞記事になるのか?全く不可解である。嘘も百回言えば本当になるとでも思っているのか?

今日の統一地方選のために政府と一部マスコミが画策したプロパガンダだろうが酷すぎる。

原子炉等規制法64条3項による命令はどうしたのか

百歩譲って、記者会見では嘘を言っていて実は午前3時の時点でも、東京電力が抵抗していたとしよう。(冒頭の「当事者である東京電力、及び経済産業大臣からも発表をいたしておりますが、福島第一原子力発電所について原子炉格納容器の圧力が高まっている恐れがあることから、原子炉格納容器の健全性を確保するため内部の圧力を放出する措置を講ずる必要があるとの判断に至ったとの報告を東京電力より受けました。」というのが、全くの嘘だったのならと言うこと)

それならそれで、東京電力に即時に命令を出せばいいのではないか。事態の緊急性がわかっていたのだろう。そしてそのための権限も十分与えられている。以下の、下の条文参照。

--------------------
原子力災害特別措置法
(原子力災害対策本部長の権限)
第二十条  原子力災害対策本部長は、前条の規定により権限を委任された職員の当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における権限の行使について調整をすることができる。
 2  原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、主務大臣に対し、規制法第64条第3項 の規定により必要な命令をするよう指示することができる

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律64条3項
3  文部科学大臣、経済産業大臣又は国土交通大臣は、第一項の場合において、核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する者に対し、次の各号に掲げる原子力事業者等の区分に応じ、製錬施設、加工施設、原子炉施設、使用済燃料貯蔵施設、再処理施設、廃棄物埋設施設若しくは廃棄物管理施設又は使用施設の使用の停止、核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の所在場所の変更その他核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害を防止するために必要な措置を講ずることを命ずることができる
--------------------

東京電力が言うことを聞かないという言い訳のバカらしさ

もし東京電力が本当は抵抗していたのなら、原子炉等規制法64条3項の命令を1時半の段階で粛々と出せばいいだけの話。それを、「東京電力が言うことを聞いてくれませんでした。東京電力はけしからんです。」等というのは全く政府の体をなしていない。そのための法律であり、そのための権力であろう。それとも官房機密費を使えるのが権力だとでも思っているのだろうか?我々庶民が、東京電力の対応が遅いと言って怒るのはともかく、権限を持っていた政府が命令も出さず、東京電力が言うことを聞いてくれませんでしたなどという泣き言を言うのは全くバカかと言いたくなる。

そして、冒頭にも書いたとおり、実際には東京電力は、ベントをしたいと政府に言ってきたと3時の時点の会見政府が言っている。しかし、それを政府の要請と言うより指示でベントを3時まで待たせたと。嘘を言うと論理破綻がおきるとはこのことだろう。

唐突な原子炉等規制法64条3項による命令の意図は?

ちなみに、午前6時50分になって政府は、原子炉等規制法64条3項によりベント命令を出している。なぜこんな時間に命令を出しているのか?東京電力は、自分からベントしたいと言ってきているのではないか?仮に記者会見内容が嘘だとしても、ベントは緊急ではなかったのか?1時半か遅くとも3時の時点で出すべきべきではなかったのか?さらに、NHK等の報道http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110312/k10014616851000.htmlによると12日未明に東京電力はしようとしたが、電源が落ちて自動ベントができなくなり、手間取っていたとのこと。詰まるところ、ベントの意思はあり、作業は始まっていたわけで、命令など無意味。

意味があるとすれば、その後、「午前7時11分 菅首相、福島原発入り」を見込んだパフォーマンスのため、もしくは、責任逃れのためだったとしか思えない。
現地にいるときにうまくベントできれば、自分でベント宣言をして政府の指示によりベントをさせましたということになり支持率がアップする。仮に、ベントがうまくいかなくても、政府は危機を察して東京電力に命令をいていたという事実だけは確定させることができる。

なお、菅が到着するまでベントをさせなかったというのは公表資料から見るとないように見える。

原子炉等規制法64条1項

ところで、原子炉等規制法64条3項の命令がないため6時50分以降しかベントできなかったという説明が一部に流れているが、妥当ではない。政府、東京電力は、原子炉等規制法64条1項で処理しようとしていた。政府が何度も「東京電力の判断で放出」と言ったのはこのことを指している。
--------------------
原子炉等規制法64条1項
第六十四条  原子力事業者等(原子力事業者等から運搬を委託された者及び受託貯蔵者を含む。以下この条において同じ。)は、その所持する核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉に関し、地震、火災その他の災害が起こつたことにより、核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害が発生するおそれがあり、又は発生した場合においては、直ちに、主務省令(第三項各号に掲げる原子力事業者等の区分に応じ、当該各号に定める大臣の発する命令をいう。)で定めるところにより、応急の措置を講じなければならない。
--------------------

いずれにしても、東京電力にもちろん最大の責任があるが、この期に及んで事実を歪曲する政府と一部マスコミは悪質である。

第二部 3月12日早朝の事態急変

事態はその後、3月12日早朝5時44分に10k圏内まで避難指示が出るに至る。それまでに何が起こったのか、公表資料から見ておきたい。

政府の想定と現実

3月12日午前3時12分の枝野会見を見ると前述したとおり、政府は東京電力にベントをこの記者会見まで待たせた。政府は、記者会見終了後(午前3時30分ぐらいか)すぐにでもベントが始まると考えていたようだ。多分、ボタンを一つ押すか、バルブを一つ開ければすぐ処理が済むと考えていたのではないか?そして午前中、菅が視察するころには事態は収拾に向かっていると考えていた節がある。
(もちろん、よく言われているように、菅が、3時まで待たせたのなら、あと4時間ぐらい待たせて、7時にベントすればいいと指示した可能性もあるが、公表資料からそれは見えてこない。)

ところで、ベントだが、東京電力も政府も重大ではあるがそれ程危険なこととは考えていなかった。
同じ枝野記者会見から、
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4477.html

会見開始後01分38秒頃
「この作業に伴い原子炉格納容器内の放射能物質が大気に放出される可能性がありますが、事前の評価ではその量は微量と見られており海側から吹いている風向きも考慮すると現在とられている発電所から3k以内の避難10k以内での屋内待機の措置により住民の皆様の安全は、十分に確保されており落ち着いて対処いただきたいと思います。既に21時23分に官総理が発した避難指示に沿って半径3km以内の避難は完了をいたしました。この避難指示の内容に変更はありません。従って現地の住民の方々は、自衛隊、警察、自治体などの指示に冷静に従っていただきたいと思います。」

ベントできず

ところが、そのベントは、ボタンを押してすぐ何とかなるようなものではなかった。実際にベントが行われたのが、3月12日午後になってからであることがそれを図らずも証明している。

経産省発表資料
「1 号機の格納容器内圧が上昇しており、圧力減尐のために蒸気の放出を開始した。(12 日14:40)」
http://www.meti.go.jp/press/20110312011/20110312011.pdf

NHKによれば以下のようなことをしていたようだ。
3月12日 6時18分 NHK報道
原発の空気放出 見通し立たず
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110312/k10014616851000.html

「東京電力は、福島県にある福島第一原子力発電所1号機について、原子炉が入っている格納容器内の圧力が高まっているため、容器内の空気を外部に放出する計画ですが、周辺地域で停電が続いているため、放出に向けて装置を動かすのに電気が確保できず、放出する見通しは立っていません。東京電力は、容器内の放射性物質が大気中に放出された場合でも、その量は微量とみられるとしています。」

政府の説明では、記者会見終了時の3時30分頃から措置に入っているはずだったが、実際はそんな簡単なものではなかった。

原子炉が危機的な状態に

そうこうするうちに、原子炉が危機的な状況になっていく

東京新聞3月28日
「十二日午前一時前には1号機の原子炉格納容器内の圧力が異常上昇。四時ごろには1号機の中央制御室で毎時150マイクロシーベルトのガンマ線、五時ごろには原発正門付近でヨウ素も検出された。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011032802000041.html

午前2時現在
「1号機の格納容器内圧が上昇しており、設計値400kPaのところ、600kPa程度まで上昇している可能性がある。」
http://www.meti.go.jp/press/20110312002/20110312002.pdf

午前4時30分現在
「1号機の格納容器内圧が上昇しており、設計値400kPaのところ、840kPa程度まで上昇している可能性がある。」
http://www.meti.go.jp/press/20110312003/20110312003.pdf

そして、4時40分頃から放射能が顕著に漏れ始める。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11031214-j.html

10キロまで避難指示拡大

5時44分、とうとう早朝にもかかわらず、10k圏内の人々にも避難指示がでる。午前3時の会見の時には、ベントなら3kで大丈夫と言っていたにもかかわらず、2時間ちょっとで逃げろという。前日11日の夜10時前の枝野会見では、さらに以下のように述べていたから相当慌てていることがわかる。
「3kから10kの皆さんについては室内で退避をして下さいということでございます。逆に動かれると混乱が生じてかえっていろいろなリスクが生じますのであくまでも3k以内の方々がそこから退避をしていただきたいということです。」
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4473.html

この点について、12日午前10時頃の官房長官記者会見では以下のように説明。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4480.html
「福島第一原子力発電所に関しましては、一号機の原子炉格納容器の圧力が高まっている恐れがあることから、本日午前5時44分に総理から新たに半径10k圏内の住民に10k圏外に避難するよう指示がありました。」
「それぞれの状況に応じて必要な範囲の指示をしてきております。圧力の上昇で先ほど一号機で圧力を降下させる措置の実施ができたと申し上げましたが(この時点では圧力は実は降下していなかった。降下したのは12日14:40(筆者注))、そのことを実施する前提で3k圏内からの退避をお願いしていたところでありますが、同時にこの圧力を降下させるための措置の実施と圧力の上昇のスピードとを見ながら万一の状況に備えて10kからの範囲の人にも退避をしていただくと、こういう指示をしたと経済産業省あるいは保安員から聞いております。」

つまり、ベントだけなら3キロで大丈夫だと思っていたけれど、圧力が上がっているためベント以外の危険性も考える必要がある。そうすると10k圏内も危ないと判断したといっている。

東京電力にベントをためらう動機があったのか

ところで、東京電力がベントに抵抗していたと言う政府のいいわけに戻るが、上述したように、既に午前2時現在「1号機の格納容器内圧が上昇しており、設計値400kPaのところ、600kPa程度まで上昇している可能性がある。」という状態であった。べントしなければ格納容器が破裂するおそれがあるというのに、ベントをためらうどんな動機が東電にあるというのだろうか。

でっち上げ武勇伝

東京電力の手際が悪かったというのは、もちろん最大級に攻められるべきだが、菅の武勇伝に結びつく話ではない。
少なくとも放射能が10キロ避難指示を出した時点で現地視察などやめるべきであった。現場は大変な状態になっていたことは想像に難くない。しかし、なぜか強行。

そのような状況のところに乗り込んでいっていったい何をするつもりだったのか?放射能などものともせず、命を捨てる覚悟で、自らバルブを開けに原子炉に突入していたのなら、武勇伝もいいだろうが、でっち上げ武勇伝はやめにしてもらいたい。
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